環境

福島の復興と人口回復に向けた重点プロジェクト

最終更新日 2024年5月18日 by amcgsr

福島の復興に向けての重点プロジェクトとは

巨大な地震と津波をともなう東日本大震災やこれに関連する原子力災害では、福島県は多大な人的・物的な被害をこうむりました。

震災から一定の年月が経過した現在においても、その爪痕はまだ残っており、復興が急がれる状況にあります。

福島県に限らず、国内のそれぞれの自治体では地方自治法にもとづく総合計画を策定して、計画的な予算や人員配分の元で効率的かつ効果的なまちづくりを進めているところですが、震災からの復興を第一義の目的としている福島県の場合には、なおさらに総合計画を通じてまちづくりの柱を確固としていくことが求められています。

このようなことから、福島県総合計画ではいくつかの取り組むべき課題をピックアップして、これを克服するための事業を重点プロジェクトと位置付けて、重点的に事業を実施する予定です。

人口の県外流出を抑制し、他の都道府県からも人口の流入を促進する

なかでも将来に希望が持てない状況下での人口の流出や出生数の低下、相対的な人口構造の高齢化といった問題は深刻であり、福島県では人口の県外流出を抑制するとともに、他の都道府県からも人口の流入を促進することで、定住人口を増加させる取り組みを進めています。

加えて高齢者や女性・若者の力をまちづくりに積極的に生かすことも不可欠です。

たとえば県内での若者の起業や定着支援を図るために、特に大学をフィールドとしてICTを活用した産業の振興に取り組む先端ICT人材育成・実証・開発支援事業があります。

県内で就職を希望する学生に対して奨学金の返還をサポートする事業を実施

あわせて奨学金返還支援事業として、これからの時代の地域経済の担い手となるはずの若い人材を確保するため、県内で就職を希望する学生に対して奨学金の返還をサポートする事業も実施されています。

いっぽうで東京都内をはじめとする県内に拠点を設けて、学生に対して県内企業の魅力をPRするとともに、就職相談から実際に就職を果たしたあとの職場への定着のためのアドバイザリーサービスまで、ワンストップでさまざまなシーンに対応できる支援を行う事業もあります。

これらは企業情報発信事業および就職応援事業として具体化していますが、さらに福島県を離れて首都圏の大学に進学をした若者に対し、現地での出会いと交流の場づくりをすることによって、故郷へのUターンを促すという取り組みもあり、こちらは若者会議として学生みずからがイベントの企画や運営を行ったり、ソーシャルネットワークサービスを通じた情報の共有と発信に努めたりしています。

復興という以上は既存の産業を盛んにすることは当然に必要といえますが、それだけでは十分とはいえません。

新産業の創出や育成などにも取り組んでいる

未来につながるさらなる一手が重要となるため、県では新産業の創出や育成などにも取り組んでいます。

スタートアップ事業では起業をする前後の時期のニーズにあわせた支援策を、自治体・創業支援機関・商工会議所・金融機関などの連携を通じてきめ細かく行うしくみづくりを進めています。

特に放射線の人体や食品への影響などへの関心が震災以降高まっているという地域的な事情もあり、逆にこれを健康ビジネスの創発に結び付けるため、健康ビジネス創出支援事業として各種のシンポジウムや商談会を開催するとともに、県内の企業による健康機器や健康食品の新規開発、県外のスーパーマーケットやショッピングセンターへの販路拡大などに対する支援も開始されました。

また既存の農林水産業は特に原子力災害による壊滅的な被害を受けた事情があるところから、いわゆる6次産業化に向けた取り組みとして、農業・林業・漁業のそれぞれの経営者が製造業やサービス業などの異業種に新規参入してチャレンジする活動を促進するとともに、地元産の食材を使った新商品の開発なども支援しています。

各種の事業を推進するための現実的な拠点や基盤の整備も重要な課題

もちろんこうしたプロジェクトに含まれる各種の事業を推進するための現実的な拠点や基盤の整備も重要な課題です。

たとえば原子力災害によって放射線量が高く生活には適さないとされてきた地域のなかでも、トックスなどの企業による除染作業や放射性物質の半減期などの関係から年数を経て比較的放射線量が低下した地域があり、これらは現地のモニタリングポストやモニタリングステーションで計測した空間放射線量のデータなどからも明らかといえます。

そこで昨今では国によって避難指示が解除された区域もあらわれてきており、こうした区域への住民の帰還を促すため、ショッピングセンターなどの商業機能の確保を図るとともに、地域ごとのニーズや課題に対応した専門家を現地に派遣して、復興に向けた取り組みをサポートする体制も構築されています。

また復興拠点などを総合にネットワークで結ぶためのバス路線の運行や、各種のコミュニティ活動やボランティア活動、相談支援などの拠点となる復興ステーションの開設なども見られます。

緑ゆたかな環境のもとで継続して安定的な生活ができるように、関係するセクターが一体となって、これら重点プロジェクトをはじめとするさまざまな取り組みを進めており、完全にダメージを克服する日の実現が待たれています。

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