未分類

腐っても鈴木さんはカリスマ美容師だ

最終更新日 2024年5月18日 by amcgsr

時は1999年、某テレビ局で放送されたシザーズリーグという番組をきっかけに、翌年にはキムタクが美容師役を演じたドラマ、ビューティフルライフ等の影響で、カリスマ美容師という一大ブームが起きたのだ。

巷には膨大な数の美容室ができ、美容師に憧れてカリスマを目指す若者が激増し、美容学校の入試の倍率も跳ね上がった時代。

美容師たちはお金を持ち、華やかな職業者として君臨した。

それがこの十数年で、美容学校の入学者は定員割れし、国家試験の受験者も激減し、美容師の数が不足しているという事態に陥っている。

当時青山界隈にたくさんいたであろうカリスマ美容師たちは、この15年の美容業界の変動をどう受け止めているのだろうか。

カリスマブームの終息のきっかけとなったのは、無免許問題だったが、その後の経済状況の悪化から財布の紐をきつく締める傾向が強まり、高くて上手なカリスマ美容師よりも安価でそれなりの美容師に需要が高まったのことも美容師人口の減少の要因ではないだろうか。

しかし、おかげで今、雇われ美容師にとっては状況が向上しているそうだ。

当時、カリスマブームのおかげで経営は潤いに潤っていたはずだが、一方アシスタントは信じられないような安月給で働いていることが多かった。

それが今、美容師人口の減少に伴って、アシスタントの初任給は当時より相当よくなり、駆け出しの美容師はお金を持っていないという伝説はなくなりつつあるというのだ。

そして、売り上げのため、経営の為にカリスマ美容師から、単なる美容師へと転身を図った人が多い中、未だカリスマ美容師として働き続けている一握りのスタッフは、とても貴重な人材と言えるのではないだろうか。

当時程、カリスマ美容師は必要とされなくなってきたとはいえ、特別な一日、特別な誰かの為に、特別な美容師にヘアカットを頼みたいという消費者は必ずいるのだから。

実際にカリスマ美容師に施術してもらった人は、実際の出来うんぬん以上に、腕のいい美容師に、素敵なサロンでやってもらったという事実自体が自信をもたらし、輝きを放てるのかもしれないし、そうなるとやはりカリスマ美容師は必要なのである。

※引用:鈴木貞一郎